
プロジェクト概要
移動式動物病院ニコワゴンを獣医師と共有し、全国に普及させることで、国内初のシェアリング型獣医療インフラを構築。獣医療格差ゼロを目指すプロジェクトです。






はじまり

弊社代表の髙橋葵は、過去5年間、移動式手術室ニコワゴンで全国を巡回し、延べ20,000頭以上の猫に不妊去勢手術を行ってきました。その現場で痛感したのが、手術だけでは解決できない、地理的・経済的・制度的な要因に起因する獣医療格差です。
日本には深刻な獣医療格差が存在しています。地方や離島には動物病院そのものがなく、必要な獣医療を受けられない人と動物が数多く取り残されています。さらに、災害時には獣医療の提供が後回しにされ、繁殖管理ができず過剰繁殖問題につながるケースが毎回発生しています。
加えて、動物愛護の分野では制度上の課題も重なり、高齢化する動物愛護活動家の負担は限界に達しています。その結果、活動の継続が困難になる「保護崩壊」が全国で相次いでいるのが現状です。
これらの格差は、人と動物、そして地域社会に深刻な問題をもたらしており、その多くを支えているのは、民間の善意(ボランティア活動家)によるものです。

民間の善意に過度に依存する現状では、愛護活動は属人的で不透明になりがちです。その結果、社会からは「猫好きの活動」と誤解され、無関心を招いてきました。こうして支援や担い手が増えないまま、問題が長期化するという構造的問題が顕在化しています。

私たちの答え
こうした現実を前に、民間の善意(ボランティア活動家)に大きく依存してきた従来の構造を改め、仕組みとして解決する構造改革が不可欠だと考え、本プロジェクトを立ち上げました。

構造改革第一段となる「走る動物病院 全国シェアリングプロジェクト」は、次の3つの柱を組み合わせることで、獣医療格差を解消する新しい獣医療インフラを築き上げます。
- ハード:走る動物病院を配備
動物病院が不足する地域や災害時に即応できる「移動式動物病院ニコワゴン」を全国に展開。場所を選ばない病院運営を可能にし、必要なときに必要な場所へ獣医療の提供を可能にします。
. - シェア:共有する仕組みを導入
獣医師、地方自治体、活動支援団体が共同で利用できる「シェアリングシステム」を導入。必要なときに必要なだけ活用し、コストと稼働率を最適化します。
. - マッチ:活動をつなぐ基盤を創出
社会貢献を志す獣医師や支援団体と、獣医療を必要とする地域をつなぐ「マッチングプラットフォーム」を創出。誰も取り残さない仕組みで、獣医療を全国へお届けします。
※地域の動物病院との共存
本プロジェクトは地域の動物病院の代替ではなく、獣医療格差が存在する地域の「つなぎ役」として活動します。将来的には、本プロジェクトをきっかけに地域の動物病院へ新たな患者をつなぎ、地域全体の獣医療の活性化に貢献していきます。
社会的意義とインパクト
- 獣医療格差の是正
移動式動物病院ニコワゴンを全国でシェアすることで、僻地や災害時にも獣医療を届けられる体制を構築。これにより、「獣医療難民」約10万人規模を解消します。※当社試算 - 過剰繁殖の抑制
年間約4万頭の猫に不妊去勢手術を実施し、年間約26万頭の繁殖連鎖(新たな出生)を抑制。殺処分問題の根本解決に大きく貢献します。※当社試算 - 保護崩壊の抑止
活動家の高齢化や経済的負担の増加によって顕在化しはじめた保護崩壊に対し、善意に依存する活動から仕組みに基づく活動への転換を促し、動物愛護活動の持続性と透明性を守ります。
代表メッセージ
私はこの5年間、全国をモバイルスペイ(出張手術)で巡り、多くの猫と人に出会ってきました。
その現場では――
・たった一匹のメス猫の脱走により、家内で無限に増え続けていく猫達をみて、誰にも相談できずに涙した高齢女性
・迷い猫に餌を与え続けた結果、知らぬ間に自宅が野良猫の棲家となり、主が倒れた際に初めてその状況が親族に発見された独居の高齢男性
そうした個々の苦しみの背景には、生活環境や経済状況によって獣医療へのアクセスが大きく異なる現実があります。そして、その多くの穴埋めが民間の善意(ボランティア活動家)に依存するという、構造的な問題を抱えています。
この5年間で見えてきたのは、従来の仕組みには限界があり、このまま目の前の猫に手術をしているだけでは終わらないという現実です。
だからこそ、私たちは、走る動物病院を全国に展開し、より多くの獣医療従事者が参画できる構造改革を実行します。そして仕組みで命を守る『誰も取り残さない獣医療』を実現します。
この獣医療格差という社会課題は、まだ広く知られていません。ぜひ皆様の力で、この現状を社会に伝えていただき、共に解決の輪を広げていただければ幸いです。
代表獣医師 髙橋 葵

移動式動物病院@ニコワゴン
今後の展望
2020年に掲げた「VISION2025 手術を、もっと身近に」。私たちは移動式手術室ニコワゴンを軸に不妊去勢手術のモビリティー化を進め、これまでに延べ20,000頭を超える猫に手術を届けてきました。
その成果を踏まえ、次の5年に掲げるのは「VISION2030 獣医療格差のない日本へ」です。
これまでに築き上げたモビリティーの仕組みを多くのステークホルダー(獣医師・自治体・支援団体等)と共有し、包括的な獣医療サービスを誕生させることで、このビジョンの実現を目指します。

プロジェクト参画者募集
あなたの知識/技術/想いを走る動物病院に載せて、共に新しい獣医療インフラを創りませんか?
これまで、ニコワゴンは不妊去勢手術(猫/犬)の他に、一次診療、ドクターカー(ER搬送)、災害支援、教育支援、啓発支援など、多様な現場で活用されてきました。「こういう使い方がしたい」「こんな仕組みがあれば動物にもっと良い環境がつくれる」そんな思いを、このプロジェクトでぜひカタチにしてください。

【参画メリット】
・獣医師/看護師/学生:新しいカタチの社会貢献/獣医療インフラ創りに参画できる
・動物病院/関連企業:低コストで移動式動物病院を導入できる/社会的評価を高められる
・活動支援団体:新しい支援活動を構築できる
・自治体関係者:業務軽減/職員補完/財政負担平準化等が期待される
・獣医師会:会員への新しい活動機会を提供できる/地域社会への貢献度を高められる
【募集対象】
本プロジェクトの趣旨に賛同し、共に獣医療格差是正に取り組んでくださる方々を募集します。
・獣医療従事者(獣医師/動物看護師等)
→ 移動式動物病院を活用した愛護活動に参画いただける個人の方(副業可)
・獣医療事業者(動物病院/関連企業)
→ 移動式動物病院を活用した事業連携に参画いただける法人様
・活動支援団体
→ 移動式動物病院を活用した支援活動を展開していただける団体様
・自治体関係者
→ 地域課題の解決に向け、移動式動物病院の活用や連携をご検討いただける自治体様
・獣医師会
→ 地域の獣医療インフラ強化の一環として連携/協働をご検討いただける獣医師会様
・その他
→ 事業提携/スポンサーにご興味があられる方
【スケジュール】
2025年9月~ 岩手/岐阜/岡山で実証実験を開始します。
2026年4月~ 全国8地方へ順次展開します。
2030年 全国47都道府県で獣医療格差ゼロを目指します。

【実証実験までの流れ】
2025/09/08(月) 10:00-2025/12/31(水) 20:00
エントリーフォームの入力を以ってエントリー完了となります。
エントリー内容を元に、次のステップである「オンライン面談」にお進み頂くエントリーが選考されます。
オンラインでの質疑応答を交わし、不足していた情報やより具体的な内容を盛り込み、両者で活動内容の精度を上げていきます。
実際に走る動物病院を見学いただきながら、相互理解を深める面談です。実証実験へ向けてミスマッチがないか最終確認を行います。
2026/03まで限定された地域で実際に運用しながら、効果や安全性、課題などを検証するプロセスです。※実証実験は準備のできた方から順次開始いたします。
【エントリー】
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沢山のエントリーお待ちしております!!!
2025/09/08(月) 10:00~
エントリー受付開始